ペルーの文化を愛する窓屋の社長 高橋俊生

千葉県の習志野でお家やビルの窓を販売しています。(MADOショップ 習志野マラソン道路店) 住みやすいお家作りには窓選びも重要です。窓に関する事、趣味のことを書いていきます。(野球、高校サッカー、ペルー文化、トレーニング)

残していってくれた商売道具はありがたく使わせてもらいます!

こんばんは!

千葉県習志野市のサッシや総和の高橋です。

 

昨年末に体調が悪くて病院で診察してもらったら、ステージ4の肺がんと宣告された職人さん。一時は現場に復帰してくれて、喜んでいたのも束の間、その後、再び体調を崩して入院。絶対に戻って来てほしいと願っていたけど、それも叶わず先週の金曜日に亡くなられました。

 

このコロナ禍で、身内でさえ、満足に面会できずにいる中、先日の日曜日にお兄さんが面会に行くと聞いていたので、手紙を書くから、渡してほしいとお願いしていたんです。もし、体調が悪くて本人が読めないなら、お兄さんに読んであげてほしいと話していたんです。

 

だから、土曜日にお兄さんのところに届くように速達で送ったのです。で、土曜日の3時過ぎかな。お兄さんから電話をもらって、「手紙、届きました。ありがとうございました」と話してくれました。「届いてよかった」と思っていたら、次の瞬間、「実は昨日の夜、体調が急変して、弟が亡くなりました」と。

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一瞬、言葉も出ませんでした。ここ最近、体調があまり良くないということは聞いていたけど、まさかまさかです…。もっと頑張ってくれると思っていたのに。退院して、また会社に遊びに来てくれると思っていたのに。57歳だよ。ちょっと早過ぎるよ…。

 

4月末の日曜日、会社に遊びに来てくれた時に体調が良いから、仕事をしたいと嬉しそうに話してくれたのを今でも鮮明に覚えてます。

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それほど表情に出る人ではなかったけど現場に復帰したいという想いがすごく伝わって来ました。決してお金に困っているわけじゃなくて、現場に復帰したい、仕事がしたい、そう言っていました。

 

4ヶ月ぶりの現場復帰でしたから、まずはそれほど負荷がかからない作業からやってもらいました。そんな中、GWの5月1日にボクの現場へ一緒に行ってもらいました。現場が遠かったので、ボクが運転していくから、助手席に乗っていってと言ったら、自分で運転したいということで、ボクが助手席に乗っていきました(笑)

 

いつ以来だろ?同じ車で現場に行くなんて。笑 神奈川県の現場で道中が長かったので、車の中でいろんな話をしました。

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最初に会社で話した時には、病気が病気だったので、もう終始、涙ぐんで話をしていたけど、この日はもう悲観的な話はほとんどありませんでした。現場に復帰できて、仕事ができる喜びを感じていたし、これから頑張っていきたいと、そんな気持ちがすごく伝わってきました。そんな雰囲気だったから、このときは本当に楽しかったなぁ。

 

この後も少しずつ仕事を増やしていって、いくつかの現場をお願いしていたんですけど、1ヶ月くらいかな。また、再び体調が悪くなったのは。最初は、4ヶ月ぶりに現場に復帰して疲れが出たのかな?とも思ったけど、どうやら病気が進行していたみたいなんです。

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今、考えると、とにかく弱気になだちゃダメだ、気持ちを強く持たないと、そんなことを言いながら、本人を鼓舞したものの、もし自分がステージ4のガンだと宣告されたら、きっと、気持ちを強くなんて無理だろうなと思ったりしました。

 

本人はきっとものすごく自分を奮い立たせて頑張っていたんだと思う。ものすごく頑張っていたんだと思う。だからこそ、その頑張りが、一度だけだったけど、現場に復帰できたのだと思うんです。きっとね。本当に短い時間でしたけど、現場に復帰ができたこと、本人にとって何よりだったんじゃないかな。本当に嬉しそうだったから。

 

現場では少しも手を抜かないし、人一倍周りに気を遣うし、昭和のオヤジギャグで現場を和ませる、本当に素晴らしい職人さんでした。

 

一時預かった商売道具も短い期間だったけど、お主人様のもとに戻れたのは本当によかった。残していってくれたあなたの商売道具は、ありがたく使わせてもらいます。辛さからも解放されたから、天国で少し休んでくださいね。本当にありがとうございました!!!